まだ、作成中で見苦しい箇所や文章がありますが、いいね!よろしくお願いします。
1.「ノイズ」から「ざわめき」へ
ソウル市内を歩いて、こんなガラクタのようなモノばっかり撮っていた。《ノイズ(ざわめき)》になんらかの可能性を見つけるために。無造作に生まれて、自然のうちに構成され、取り残されたモノたち。こんな格好をしていても、生きている。街も同じだ。無造作に生まれた街のほうが生きて(ざわめき)見える。
基本的に孤独が好きな私は、賑やかで綺麗な都市の喧騒を避けて、いつも、汚くて臭くてみすぼらしい取り残されたような場所ばかりに行ってました。“行ってました”と言うより“逃げていた”と言ったほうが正しいかもしれません。現在の都市の体験は、その場所の経験がどこにでもあるような当たり障りのない希薄ものになっていて、これでは、人間の本能をダメなものにしてしまうのではないか、まるで私たちは、資本主義の操り人形ではないか、などとルサンチマンのような考えを持ちながら街を歩き回って《ノイズ》のような風景を撮っていました。
しかし、歩き回っているうちに取り残されたモノから音のような《ざわめき》が聞こえるようになってきたんです。人々の生の記憶の断片と言うか、なにか懐かしくて暖かくて悲しい生きた《ざわめき》のようなものです。子供のころに帰ったような気持ちになれる商店街や在来市場、そして町工場。風通しの良い路地(コルモッキル)、天日干しされた洗濯物の匂い、食事の支度の音、日向ぼっこする猫や喧しく吠える番犬、そんな暖かいタルトンネ(貧民街)。そして、記憶や場所を根こそぎ奪われた人々の悲鳴が聞こえてきそうな巨大な再開発地のスカイラインなど。歩いているうちにどんどん無くなっていく在来市場やタルトンネの風景たち。開発という名の怪物がそのような風景を飲み込んでいって、私が聞いている《ざわめき》の風景は、価値のないものなんだと悲観的になっている時、その価値に可能性を見出す人が現れました。その人が今のパク·ウォンスンソウル市長です。
彼が市長になってからは、①住民の合意の無い再開発の縮小や見直し、②小単位注文整備事業の再開(地域の特性や歴史性を生かしながら整備する小単位式の整備事業)、③ 住民主導 "村共同体支援事業"(村共同体の育成のための土台作り、一緒に世話をする福祉コミュニティ、一緒に作って消費する経済共同体、楽しく面白い文化共同体など)、④近現代遺産の未来遺産化基本構想(詩人の生家など歴史的価値のある近現代建築物、白砂(ペクサ)・長寿(チャンス)・九龍(クリョン )マウルなど庶民の暮らしが見られる貧民街、忠正・東大門など韓国最初のアパートの遺産化)などの事業が展開されるようになりました。私が聞いた《ざわめき》に価値を与える時代へと変化したのです。
2.散策を楽しむグループの結成
そこでその《ざわめき》の価値を共に楽しむために、タルトンネ(貧困街)や古い街並が好きの仲間たちが集まって探検隊を結成。最初は私と、梨花女子大学(韓国経済史、開発経済学専攻)のT氏、元ソウル大学(知識構築論、東アジア民間教育専攻)のF氏、親友のJ氏の4名の少数メンバー。現在はフェイスブックなどを通して参加メンバーを募り散策イベントを実施している。
3.サンチェクタバン(散策茶房)HPの開設
探検隊が今まで行なってきた散策の楽しみや情報を広く伝えるためにHPを開設。名前は韓国語で散策カフェ(集い)を意味するサンチェクタバン(散策茶房)。このページでちょっと変わった韓国の散策の魅力を紹介できたらと考えている。